ストックの香りいざなう旅路かな
ストック(stock)はアブラナ科アラセイトウ属(マティオラ属)の一年草である。マティオラ属は地中海沿岸地方などに48種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)
本種は和名を紫羅欄花(アラセイトウ)といい、属名の和名をアラセイトウ属という。
本種の原産地は南ヨーロッパである。
ストック(stock)の名は英名からきているが、日本でも一般的に用いられ、植物学上は別名の扱いとなっている。
ストックというのは茎のことである。
茎が太く丈夫で真っ直ぐに伸びることからつけられた名である。
栽培の歴史は古く、古代ギリシャ人やローマ人は薬草として栽培していた。
日本へは江戸時代に渡来した。
しかし、園芸用に生産され始めたのは大正以降のことである。
庭植え、鉢植え、切り花などに利用されている。
和名の紫羅欄花(アラセイトウ)は、葉が厚くて毛に覆われている様子を布のラセイタ(ポルトガル語で羅紗に似た地の厚い毛織物)に似ていることからきている。
中国名は紫羅蘭(zi luo lan)で、漢字表記はその影響である。
種をまく時期によって開花期は異なるが、一般には春の花とされている。
草丈は20センチから80センチくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は10月から3月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、赤、白、ピンク、紫色などの花をつける。
八重咲きと一重咲き(4弁花)とがあり、日本では八重咲きが好まれている。
花には強い香りがある。
花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)だが、八重咲きのものには生殖能力はない。
ブロッコリーやカリフラワーと同じアブラナ科なので食べることもできる。
属名の Matthiola はイタリア人の博物学者「マッティオリ((Pietro Andrea Mattioli, 1501-1577)さん」の名からきている。
種小名の incana は「灰白色の柔らかい毛で覆われた」という意味である。
写真は3月に京都府立植物園で撮った。
品種名は上がホワイトアイアン、下がキスミーチェリーである。
学名:Matthiola incana
★すくすくと天をめざして八重に咲く
ストックの花香りにあふれ
☆鈴なりの香りも高いストックに
誘われては春も訪れ
花図鑑植物図鑑ミラーサイト
|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|