蓬菊(ヨモギギク) 夏の花 2016年08月11日 蓬菊(ヨモギギク)はキク科ヨモギギク属(タナケツム属)の多年草である。タナケツム属は暫定的学名だが世界に163種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)本種が代表種で、属名の和名もヨモギギク属という。本種の原産地はヨーロッパとアジアである。英名をタンジー(tansy)という。日本へは明治時代に渡来した。タンジーの名は日本でも流通名とされ、庭植えや鉢植えとして観賞用に栽培されている。ただし、有毒植物なので注意が必要である。毒性を生かして民間で駆虫剤として用いられるほか、調味料や芳香剤としても用いられる。逸出したものが北海道と本州で野生化している。北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に選定されている。草丈は100センチから200センチくらいある。茎は固く、葉は細かい切れ込みがあり、互い違いに生える(互生)。開花時期は7月から10月である。茎先に丸くて平べったい黄色の花をたくさん咲かせる。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。和名の由来は、舌状花のないところが蓬(ヨモギ)に似ているということからきている。北海道には変種の蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)が自生する。蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)は環境省のレッドリスト(2012)で絶滅危惧II類(VU)に登録されているのだが、その扱いについては流動的である。YListでは蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)を本種の変種として区別している。Catalogue of Life では蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)は異名の扱いで本種に包含している。2012年版のレッドリストでは絶滅危惧である蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)の学名に本種のものを充てている。花言葉は「婦人の美徳」である。8月12日の誕生花である。属名の Tanacetum はラテン語の「tanazita(不死)」からきている。種小名の vulgare は「普通の」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Tanacetum vulgare★全草に強い香りを漂わせ 蓬菊咲く姿妖しく☆タンジーの花は忘れぬ遠き日を 不死の薬は今も咲きつつ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル| PR
プロコグロッティス・ジャワニカ 夏の花 2016年08月09日 プロコグロッティス・ジャワニカはラン科プロコグロッティス属の多年草である。プロコグロッティス属は東南アジアや南太平洋諸島に40種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)本種の原産地は、アンダマン諸島、マレーシア、タイ、カリマンタン島、インドネシアなどである。標高300メートルまでの低地に生える地生種である。異名をプロコグロッティス・フィンブリアタという。草丈は30センチから60センチくらいである。葉は幅の広い楕円形で長い柄がある。開花時期は夏である。花の色は花色は黄色で、紅紫色の斑点が入る。花径は3センチくらいである。側萼片は薄く湾曲している。属名の Plocoglottis はギリシャ語の「ploko(折り重ねた)+glottis(舌)」からきている。種小名の javanica は「ジャワ島の」という意味である。写真は12月につくば植物園で撮った。学名:Plocoglottis javanica(異名:Plocoglottis fimbriata)★聞きなれぬ花の名前に戸惑いつ 手振れせぬようシャッターに触れ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
シスタス 夏の花 2016年08月09日 シスタス(Cistus)はハンニチバナ科ゴジアオイ属(キスツス属)の常緑低木の総称である。キスツス属は地中海沿岸地方やカナリア諸島などに20種くらいが分布する。同属のキスツス・アルビドス(Cistus albidus)に午時葵(ゴジアオイ)の和名があり、属名の和名はゴジアオイ属という。英名はロックローズ(rock rose)である。これは、この属の仲間全体への呼称である。日本へは大正時代に渡来した。庭植えや鉢植えで愛好されている。園芸的には属名のキスツス(Cistus)を英語風に読んだシスタスの名で流通している。高温多湿を嫌うため日本ではそれほど普及していないが、聖書にも登場する花ということで欧米ではポピュラーな観賞用植物となっている。樹高は30センチから200センチくらいである。葉は細長い卵形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6月から8月くらいである。花径3センチから4センチくらいの杯状の5弁花をつける。花の色は白いものが多いが、園芸品種にはブルー、ピンク、赤、紫などのものもある。開いてから8時間ほどで散ってしまう半日花であるが、次々に新しい花が咲いてくる。花言葉は「人気」である。8月9日の誕生花である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、箱のような形をしている。属名の Cistus はギリシャ語の「kistos(古代ギリシャでのこの植物の名)」からきている。写真は7月に野田市の清水公園花ファンタジアで撮った。学名:Cistus spp.★半日の命なれどもシスタスは 華麗に咲いて命引き継ぎ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
デンドロビウム・ラエビフォリウム 夏の花 2016年08月08日 デンドロビウム・ラエビフォリウムはラン科セッコク属(デンドロビウム属)の常緑多年草である。デンドロビウム属は東南アジアやオーストラリアなどに1200種くらい分布する着生種である。属名の読み方は英語風にデンドロビューム属とするものもある。日本にも石斛(セッコク)などが分布し、属名の和名をセッコク属という。本種の原産地はニューギニア、ソロモン諸島など南太平洋の諸島で、標高600メートルから2300メートルの地域の木の幹や岩に生える着生種である。特徴は茎が毎年新しくなることや花弁と萼片がほぼ同じ形をしていることなどである。草丈は5センチから10センチくらいである。葉は細長い卵形である。本種の開花時期は夏である。花径は2センチから5センチくらいである。花の色は変化に富んでいる。写真に撮ったものはピンクの筋が美しい。花に香りはない。属名の Dendrobium はギリシャ語の「dendron(樹)+ bios(着生)」からきている。種小名の laevifolium は「滑らかな葉を持つ」という意味である。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Dendrobium laevifolium★故郷は太平洋の南の地 渋い色して木の幹に咲く花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
サルビア 夏の花 2016年08月07日 緋衣を纏いサルビア蜜の味サルビア(Salvia)はシソ科アキギリ属(サルビア属)の多年草である。サルビア属は中南アメリカやヨーロッパを中心に900種くらいが分布する。また、多くの園芸品種が作出されている。日本にも秋桐(アキギリ)などが分布し、属名の和名をアキギリ属という。本種の原産地はブラジルで、標高2000メートルから3000メートルの山地に生える。英名はスカーレットセージ(scarlet sage)という。セージはサルビアの仲間を示す言葉である。中国名は一串紅(yi chuan hong)という。日本へは明治時代の中期に渡来した。園芸的には一年草として扱われ、庭植え、鉢植えとして愛好されている。また、逸出したものが一部で野生化している。和名は緋衣草(ヒゴロモソウ)という。サルビアは属名であるが、普通はサルビアといえば本種を指す。YListにも別名としてサルビアの名が記載されている。草丈は50センチから100センチくらいである。茎の断面は四角形である。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6月から11月くらいである。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、朱色の唇形をした花をたくさんつける。花のつけ根で赤く咲いているように見えるのは萼である。花はすぐに落ちるが、色づいた萼が残るので長期間咲いているように見える。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。俳句の季語は夏である。花言葉は「燃える思い」である。8月7日の誕生花である。属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。種小名の splendens は「光輝ある」という意味である。写真は5月に川口市立グリーンセンターで撮った。学名:Salvia splendens★朱に染まり咲くサルビアは夏の陽を 浴びてしおれず花壇いろどり☆ぎらぎらと真夏の陽射し負けはせぬ 燃ゆる想いは古き時より花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|